★キックオフを開催 2018.10.8

昨日のことになりますが、横浜中華街を訪れたのは、このサイトでも何度かお知らせした緒形拳さんの13回忌を記念した展示会のキックオフ-決起会を開催するためでした。展示会は、来年は、東海大学湘南キャンパスの付属図書館11号館展示室でプレ展示を開催し、再来年度、2020年度に13回忌の展示会を横浜市歴史博物館で開催します。
東海大学と横浜市歴史博物館で共催する予定です。そこで東海大学と横浜市歴史博物館-横浜歴史ふるさと財団の関係者の皆さんなど展示会関係の皆さんに集まってもらって、決起集会を開こうという話になったのでした。博物館等の展示会業界では、これをキックオフというのだそうです。横浜市歴史博物館の井上副館長の提案でした。

当日はご長男の緒形幹太さんご夫妻をはじめとして、関係者一同19名が善隣門そばの大珍楼というお店に集結しました。この中には大学院生や学生もいます。

幹太さんのご挨拶で始まったキックオフは、本当に終始和やかに進んで、楽しい会でした。
井上副館長(同級生なのですが…)からは、緒形さんがどういう時代に生きたのか、どういう時代の影響を受けてきたのか、さらには時代にどのような影響を与えたのか、あれだけの人だから、影響力も大きかったと思うので、そこを常に念頭においていただきたいとのお言葉を頂戴しました。また、元NHKエンタープライズのOさんからは、このように俳優を文化として取り上げること、大学において研究対象としてあつかうこと自体がたいへん意義のあることで、緒形さんはそれに値する俳優であるとの力強いお言葉を頂戴しました。確かに外国に比べて日本は、俳優そのものの文化的価値が低いのが現状だと思います。例えば、著名な作家であれば、文学の世界では「夏目漱石研究」とか「芥川龍之介研究」などありえるでしょう。

でも、文学作品だからとりあげる、政治家だからとりあげるなど、これまでだけの視点から、新たな研究は生まれるでしょうか。例えば、舞台、映画、テレビなどを大衆文化としてとりあげるというのであれば、脚本家や監督に陽が当るだけではなく、このような俳優さんたちに対する視点が重要だとと思います。そしてそれは作品を通じてとともに、その人が残したもの、そのアーカイブから立ち上げていくというのもこれから大事になって行くのではないでしょうか。公文書ですら捨てられたり、改ざんされたりするこの国で、何を残していけば将来のための遺産となるのか、もっと広い視点が求められていると思うのです。それがこの仕事に打ち込む私の理由の1つでもあります。

午後6時半から始まったキックオフは、9時頃まで続き、Oさんの三本締めでお開きとなりました。さぁ!ここからがスタートです。これを読んでくださっている皆さん、ぜひご協力を衷心より厚くお願い申し上げます!

馬場弘臣

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