本日は、緒形邸で緒形拳研究会の打ち合わせでした。
クラウドファンディングについて、若い人の考えを聞くことができました。
ただリターンをいただくというのではなくて、自分もそれに参加したい、一緒に作り上げていくということに興味を覚えるとのこと。例えば、何かの催しをするとして、例えば映像などを作成するにしても、そこにスタッフとして参加する、そしてその証しとしてクレジットに名前が出る。そうして参加すること、体験すること、一緒に作り上げていくことに喜びを感じていく。言ってみれば「緒形拳の映画(もしくは物語)を一緒に作りましょう」といったコンセプトが若い人を惹きつけるのではないかとのお話しでした。
一緒に資料整理を手伝ってもらえば、生の台本や写真に触れることにできる。ポスターやチラシを間近に見ることができる。映画が好きなら、ドラマが好きなら、舞台が好きなら、緒形拳という名優を通して、それらに触れることができる。しかも、「緒形拳はもう亡くなっているのだから、今、そうしたことに参加することができることに、それにこそ価値がある」との話には心底、目から鱗が落ちる思いでした。
上の本は、緒形さんが憧れ続けた北條秀司著『王将』と、緒形さんが新国劇で初めて大きな役をもらった、同著『丹那隧道』です。それぞれに北條先生のサインが入っています。「一作即絶筆』には、北條先生の作品にかける覚悟が表われています。また、『王将』の当て書きは、緒形さんの本名になっています。
緒形家にあるこうした蔵書にもまた、やはり歴史があります。
馬場弘臣