★新国劇と新選組 2019.8.15

ただいま、緒形拳さん関係の資料では、岡崎君が写真の整理を進めてくれています。そうしましたら、結構 新国劇時代の写真が残っていることがわかってきてました。秋の展示会の宣伝用に、ちょっと紹介してみます。写真の直撮り、画像があまりよくないのはどうぞご勘弁ください。

新国劇「王将」

劇作家北條秀司の名作「王将」です。新国劇の辰巳柳太郎にあてて書かれた戯作ですが、「王将」のファンは多く、緒形さんも「王将」に憧れて新国劇に入団したのでした。

新国劇の新選組

新国劇が演じた新選組です。向かって右は宇野信夫作の「新選組」で、左側は行友李風作の「極付 新選組」です。行友版「極付 新撰組は宇野版「新撰組」は、1964(昭和39)年に新宿コマ劇場で、宇野版「新撰組」は、1962(昭和37)年か63年に明治座か大阪サンケイホールで上演されたものだそうです。

興味深いことに緒形さんは、行友版では土方歳三を演じていて、宇野版では沖田総司を演じています。ちなみに行友版の近藤勇は島田正吾で、宇野版は辰巳柳太郎です。行友版の写真は、よく見ると「池田屋」と書いてあるのがわかると思います。池田屋事件のシーンです。

司馬遼太郎の「燃えよ剣」が『週刊文春』に連載されたのが1962年11月から1964年3月のことで、これと並行して「小説中央公論」誌上に新選組を題材とした短編15編を連載したのが1962年5月から12月のことでした。これがのちに『新選組血風録』としてまとめられます。私が最初に観た新選組物のテレビは、この「新選組血風録」でモノクロでした。もちろん、「燃えよ剣」も観ていまして、こちらはカラー版なのですが、うちのテレビはモノクロでした。いずれにしても、だから、私は、土方歳三といえば栗塚旭さんの世代になります。

私自身は、司馬遼太郎版の新選組しか知りませんでしたから、新国劇で同時期に上演されていたこと。しかも宇野信夫に行友李風という大物の劇作家であったこともちょっと驚きでした。脚本自体がいつ書かれたのか、展示会までには調べておきたいと思います!

馬場弘臣

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