★大船 北條邸 2019.7.18

鎌倉大船の北條邸に行ってきました。


今年の展示会は、10月14日(月)から11月30日(土)まで本学11号館付属図書館11号館展示室で、また、来年の展示会は、10月3日(土)から12月6日(日)まで横浜市歴史博物館で開催する予定です。
これらの展示会は、いっぽうで「戦後大衆文化の基礎的研究」という、本学文明研究所のプロジェクト研究の成果を問うものです。その第1弾として今、「緒形拳アーカイブズ」の構築を図っています。

最近はよく「アーカイブ」もしくは「アーカイブズ」という言葉が使われていますが、本来アーカイブズは、その機関なり、部署なり、家、もしくは個人に関するさまざまな資料の総体を意味する言葉です。
なので台本だけを集めても、これは本来、台本ライブラリーであって、台本アーカイブズではないはずです。アーカイブというのならば、その台本が生まれてくる関係資料の総体を収集・整理・公開されていかなければならないのだと思います。
つまり、特定のものをコレクションしていくのは、ミュージアムもしくはそれが書籍などの文献であればライブラリーの仕事の筈です。劇作家北條秀司先生の関係資料を整理していったのも、そうした試みからでした。

そして今回は、俳優が遺した資料の総体を収集・整理することが第1の目的。
だから「緒形拳アーカイブズ」なのです。ですので、これはまだ誰も試みたことない研究だと思うのです。しかも緒形さんは、新国劇という劇団を出発点として、ようやく一般化していったテレビの草創期に関わり、そして映画でも大きな足跡を残されました。演劇、テレビ、映画、それぞれがどの時代にどのようにかかわっていったのか、もちろん、それぞれの作品も時代に大きな影響を受けていたことは確かです。逆に、ある作品が時代に影響を与えていったことも確かでしょう。演劇だけでもなく、テレビだけでもなく、ましてや映画だけでもなく、それぞれの分野で満遍なく活躍された緒形さんだからこそ、見えてくる視点があると思うのです。

ここ鎌倉大船の北條邸で、食事をしながら、緒形さんの出演作品について語り合う研究報告会を予定しています。北條邸は緒形さんが足繁く通った想い出の地です。


こちらは北條邸の庭で、今は畑になっています。


こちらは北條邸を眺める座敷です。右の額は、緒形さんの書で、正面には北條先生の著作が並んでいます。床の間の軸は、「狐と笛吹き」という北條作歌舞伎劇の看板画を軸に仕立てたものです。

北條邸の書斎の入口です。演劇に関係する本が2万冊近くあります。
昭和7年(1932)に建ったという古い家で、それだけでも文化財ものです。

また詳しいことが決まりましたら、その都度報告します。

馬場弘臣

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