本日は、企画展「軌跡 名優緒形拳とその時代」の最終日です。
こちらは、「白野」の舞台で実際に使われた舞台衣裳です。左側には一部ステッキも見えます。
ここで裏話をひとつ。澤田正二郎から続く「白野弁十郎」の最後の決め台詞は、天まで持っていく男の象徴を「わしの兜の龍頭」と高らかに呼び上げて終わります。龍頭は、兜につける龍の飾り物のことですね。これが獅子であれば「獅子頭」です。
で、緒形さん、これを変えたいと思っていらっしゃって、さて、どういう台詞にしようか悩んでいらっしゃいました。なにせ私にまでお尋ねになったほどでしたから。今の人たちでは「龍頭」に込めた意味が理解できないからです。
緒形さんが選んだのは、「それは…男の心意気!」でした。発音としては、「龍頭」に比べると伸びやかさに欠けるかも知れませんが、実に緒形さんらしいと思っています。
明日は後片付けです。それでは皆さん、来年の今頃になります。次は横浜市歴史博物館で会いましょう。
馬場弘臣